導入事例
セイコーエプソン株式会社
乾式製紙機PaperLabが環境に良いと認められる
対外的な根拠資料に
セイコーエプソン株式会社
林正明さま
会社紹介
長野県諏訪市に本社を置く情報関連機器、精密機器を手掛ける電機メーカー。
インクジェットプリンターを始めとするプリンターや、プロジェクター、パソコン、スキャナーといった情報関連機器、水晶振動子(クォーツ)、半導体などの電子デバイス部品の製造、さらに産業用ロボットや小型射出成形機、分光ビジョンシステムなどの産業用機器の製造を手掛けている。
当社にご依頼いただいた背景
(課題・ニーズ、依頼した決め手や理由)
PaperLabはオフィス内で使用済のコピー用紙から新しいコピー用紙を再生できる機器です。開発して間もないころから、PaperLabを利用することで、CO2をはじめとしたGHG排出量や水消費量、木材資源使用量等の削減に貢献することが可能になると直感的に考えていました。
しかし、PaperLabによる環境貢献量について「見える化」をするためにはLCAによる評価が必須でしたが、当時の私たちには、LCAに関する経験や知識がありませんでした。それでも、しっかりとしたLCAを行い、どの程度環境に良いのか定量的に把握をし、商品の良さを社会にアピールしたい。という気持ちがありました。
そこで、LCAの第一人者である東京都市大学環境学部教授の伊坪徳宏先生(現早稲田創造理工学部教授)にご相談したところ、LCAの実務経験が豊富な専門家であるGreen Guardianの小野社長(LCAで博士号を取得)をご紹介いただきました。
依頼した所感、効果、活用
PaperLabのような大型の製品のLCAについては、非常に大変な作業で弊社としても初めての試みでしたが、ライフサイクル全体を網羅した各環境負荷項目の算出からLIME3を使った影響評価に至るまでを丁寧に行っていただけました。
さらに、その成果をまとめた結果は査読付き論文となり、PaperLabが対外的にも環境に良いと認められる根拠資料にもなりました。
きめ細かな対応と分かりやすい説明で、逐一でた疑問も一つ一つ解消できました。
私たちのLCAの経験値や理解度も向上し、今では担当していない製品の会議であってもLCA関連の意見を求められることや議論をお願いされることが度々あるようになりました。
当初の目的でもあった国内外のお客様にPaperLabを使うことでの環境貢献の効果がどの程度あるか具体的にご説明することができ、PaperLabの販売に大いに役立っております。
ISO14040 / ISO14044の認証を取得
当社の業務で対応したPaperLabのLCAの報告書(正確にはそれを翻訳したもの)が世界的な第三者認証機関 TÜV Rheinland Groupからの認証を得たとご連絡いただきました。
この認証は、LCAの規格(ルール)を書いたもので、しっかりとその規格に則った評価結果であると第三者から認められた証拠になります。
欧州での販売活における制約を回避
近年、欧州ではLCAを基にした環境情報を示す要求(ルール)をしており、これに対応しないと販売活動に制約が生まれてきます。
本件はこのような制約を乗り越え、かつ企業の環境価値の向上とリスク回避、さらには企業利益に寄与するものです。
この認証結果を根拠に、欧州での販売活動にお役立ていただけるものと考えております。
今後の目標や展望
弊社としてはPaperLabをお客様に使っていただくことで、地球環境への貢献を引き続き続けていきたいと思います。PaperLabを通じた更なる環境付加価値の創造にむけてGreen Guardian社様に引き続きご協力いただきたいと思っております。
https://www.epson.jp/products/paperlab/