LCAのリサイクル評価とは?カットオフ法と回避負荷法で順位が逆転する理由
こんにちは!
LCAコンサルタントの小野あかりです。
突然ですが、ここで問題です。
「原料をすべて再生材でつくった製品」と「使い終わったあと、9割がリサイクルに回される製品」。
LCA(ライフサイクルアセスメント)で比べると、どちらの環境負荷が小さくなるのでしょうか?
・・・・。
実は、結果はリサイクルの評価方法によって変わるのです。
この記事の仮の数値例でも、評価方法を変えると、2つの製品の優劣が逆転する現象が起こっています。
GHGプロトコルの製品基準も、方法によって算定結果が異なり、条件によっては大小関係が逆転しうることを示しています。
この記事では、LCAにおけるリサイクルの評価方法として、「カットオフ法」と「回避負荷法」の考え方を、数値例と規格・基準の扱いを交えて解説します。
さらに、化学・アパレル・海運の例や、実務で方法を選ぶ際のチェックポイントも紹介します。
📖 前編・関連記事の紹介
この記事は、「配分(アロケーション)」を解説した前編の続編です。
リサイクルの評価も、複数の製品システムの間で環境負荷やメリットをどう割り当てるか、という配分の考え方と深く関係しています。
(※本記事は2026年10月20日時点で確認できた情報に基づきます。規格・基準は改訂されることがあるため、実務では最新の原典もご確認ください。)
なお、GHGプロトコルでは製品レベルの算定基準に関する更新作業も進んでいます。
実務で使用する際は、最新の公表資料や適用される製品ルールを確認してください。
目次
1.リサイクルの評価は、なぜ難しいのか?
◆1つの材料が、2つの製品にまたがる
リサイクルされた材料は、「前の製品」と「次の製品」の両方に関わります。
たとえば、ある製品が使い終わったあとに回収され、再生材として別の製品の原料になったとします。
このとき、次のような負荷やメリットを、前の製品と次の製品のどちらに割り当てるかが問題になります。
元の材料(バージン材)をつくったときの負荷
回収・選別・再生処理(リサイクル工程)の負荷
再生材を使ったことで、バージン材をつくらずに済んだメリット

図1 1つの材料が2つの製品にまたがるときの負荷とメリット
◆リサイクルの評価は「配分」の問題
この「どちらに割り当てるか」は、前編で解説した配分(アロケーション)の問題そのものです。
LCAの国際規格ISO 14044は、リユースやリサイクルにも配分の原則と手順を適用するとしています。
また、材料が同じ製品システムに戻る場合を「クローズドループ」、別の製品システムで使われる場合を「オープンループ」として、それぞれの配分手順を示しています。
ただし、ISO 14044では、再生材の固有の性質が変わらない場合、別の製品システムに使われるときにもクローズドループの手順を適用するとしています。
つまり、「同じ製品に戻るか」だけでなく、「材料の性質が保たれるか」も判断のポイントです。
ISO 14044は「カットオフ法」「回避負荷法」という名称を使っていません。
本記事では、説明のためにこの2つの呼び名を使います。
このうち「カットオフ法」は、GHGプロトコルの製品基準も、後で紹介するリサイクル含有率法の別名として挙げています。
2.カットオフ法と回避負荷法は何が違うのか?
GHGプロトコルは、WRI(世界資源研究所)とWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が策定に関わる、温室効果ガス(GHG)の算定・報告に関する基準です。
ここでは、その製品基準(Product Life Cycle Accounting and Reporting Standard)で示される2つの方法をもとに、「どちらの製品がメリットを受け取るか」という視点から整理します。
◆カットオフ法:再生材を「使う側」がメリットを受け取る
カットオフ法は、前の製品と次の製品の間で線を引き(カットオフし)、リサイクル工程の負荷を、再生材を使う側に割り当てる考え方です。
GHGプロトコルの製品基準では「リサイクル含有率法(recycled content method)」と呼ばれ、リサイクル工程の排出を、再生材を使う側のライフサイクルに配分します。
同基準は、この方法の別名として「カットオフ法(cut-off method)」「100-0法(100-0 method)」を挙げています。
再生材を使う製品は、バージン材の製造負荷を負わず、リサイクル工程の負荷だけを負うことになります。
そのため、リサイクル工程の負荷がバージン材の製造より小さければ、再生材を多く使うほど、製品の排出量は小さくなります。
一方、使い終わったあとにリサイクルに回すと、廃棄(焼却など)の負荷は減りますが、バージン材をつくらずに済んだメリットは、その製品の数字には入りません。
なお、ここでいうカットオフ法は、影響の小さいフローを計算から外す「カットオフ基準」とは別のものです。
カットオフ基準は「LCA(ライフサイクルアセスメント)とは?4つの段階と6つの判断ポイントをLCAコンサルタントがやさしく解説」で解説しています。
◆回避負荷法:リサイクルに「回す側」がメリットを受け取る
回避負荷法は、使い終わった製品をリサイクルに回したことで、バージン材をつくらずに済んだ分を、リサイクルに回した側の排出量から差し引く考え方です。
本記事では、GHGプロトコル製品基準の「クローズドループ近似法(closed loop approximation method)」を、回避負荷法に近い考え方として紹介します。
同基準では、この方法を、使用済み段階のリサイクルによってバージン材の取得量が正味でどのように変わるかを反映する、システム拡張の一種と位置づけています。
また、一部のLCA文献では、システム拡張が「回避負荷法(avoided-burden method)」と呼ばれることも説明しています。
クローズドループ近似法の別名として、「0/100法(0/100 method)」や「エンドオブライフ・アプローチ(end-of-life approach)」なども挙げられています。
こちらは、リサイクル工程の負荷がバージン材の製造より小さければ、使い終わったあとにリサイクルされる量が多いほど、製品の排出量は小さくなります。
一方、再生材を原料に使っても、その分は評価されません。
この差し引く分は、GHGプロトコルの製品基準では「代替された排出」と呼ばれ、使用済み段階とは分けて報告します。
同基準は、これとは別に、算定結果に「回避排出量」を含めないことを求めています。
製品の使用を通じた社会全体での削減を示す「削減貢献量」については、「【最新版】削減貢献量とは?WBCSD新ルール・国内動向をLCAコンサルタントが徹底解説」をご覧ください。
◆2つの方法の比較
項目 | カットオフ法 | 回避負荷法 |
GHGプロトコル製品基準での名称 | リサイクル含有率法 | クローズドループ近似法 |
同基準が挙げる別名 | カットオフ法、100-0法 | 0/100法、エンドオブライフ・アプローチなど |
メリットを受け取る側 | 再生材を使う側 | リサイクルに回す側 |
評価される努力 | 再生材を使うこと | 使用後にリサイクルされること |
数字に入らないもの | 使用後のリサイクルでバージン材を避けたこと(廃棄負荷が減る分は入る) | 再生材を使ったこと |
2つとも「リサイクルを評価する」方法ですが、どの努力を評価するかが正反対だという点が、大切なポイントだと私は考えています。
3.数値例で見ると、どれだけ結果が変わるのか?
まずは、方法によって結果がどの程度変わるのか、単純化した仮の数値例で確認しましょう。
◆設定
材料に関する負荷を、次のように仮定します。
数値はすべて製品1 kgあたりの値です。
計算を簡単にするため、材料ロスはなく、再生材とバージン材の品質は同等で、リサイクルされた材料はバージン材を同じ量だけ代替できるものとします。
実際の製品の排出量を示す値ではありません。
項目 | 排出量(kg-CO2e/kg) |
バージン材の製造 | 2.0 |
リサイクル工程(回収・選別・再生) | 0.5 |
廃棄(焼却) | 1.0 |
比べるのは、次の2つの製品です。
| 製品X | 製品Y |
原料 | 再生材100% | バージン材100% |
使用後 | すべて焼却 | 90%をリサイクル、10%を焼却 |
◆計算の考え方
カットオフ法では、再生材を使う製品は、リサイクル工程の負荷だけを負います。
使用後にリサイクルに回した分は、次の製品の話になるので数えません。
焼却する分だけ、廃棄の負荷を数えます。
回避負荷法の計算は、GHGプロトコル製品基準のクローズドループ近似法の考え方に沿った簡略例です。
原料にはバージン材相当の負荷を計上し、使用後にリサイクルされる分についてリサイクル工程の負荷を加えたうえで、バージン材を代替した分を差し引きます。
◆結果
方法 | 製品X | 製品Y | 有利な製品 |
カットオフ法 | 0.5+1.0=1.50 | 2.0+0.1×1.0=2.10 | 製品X |
回避負荷法 | 2.0+1.0=3.00 | 2.0+(0.9×0.5+0.1×1.0)-0.9×2.0=0.75 | 製品Y |
(単位:kg-CO2e/製品1 kg)

図2 仮の数値例で比べた2つの製品の排出量(カットオフ法と回避負荷法)
◆読み取れること
同じ2つの製品なのに、カットオフ法では製品Xが、回避負荷法では製品Yが有利になりました。
順位が逆転しています。
カットオフ法でも、製品Yは90%をリサイクルに回したことで、廃棄の負荷が減っています(すべて焼却なら3.00のところが2.10)。
それでも製品Xに届かないのは、バージン材を避けたメリットが製品Yの数字に入らないからです。
これは、計算のミスではありません。
第2章で見たとおり、カットオフ法は「再生材を使う努力」を、回避負荷法は「使用後にリサイクルされる努力」を評価する方法だからです。
GHGプロトコルの製品基準も、評価方法によって算定結果が異なり、条件によっては大小関係が逆転しうることを示しています。
したがって、算定方法を明記せずに数値だけを比較するのは避ける必要があります。
4.規格・基準では、リサイクルはどう扱われているのか?
リサイクルの扱いは、規格・基準によって定め方が異なります。
主なものを整理します。
規格・基準 | リサイクルの扱い |
ISO 14044 | 配分の原則と手順を適用。再生材の性質が変わらない場合はクローズドループの手順を当てはめる |
GHGプロトコル製品基準 | 原則として、リサイクル含有率法かクローズドループ近似法を使用。条件を満たせば別の方法も選択可能 |
PEF(欧州委員会の勧告) | CFF(循環フットプリント式)を使い、係数Aで負荷とクレジットを分け合う |
ecoinvent(データベース) | カットオフ型を含む4つのシステムモデルを用意している |
(回避負荷法は本記事での呼び名。第2章を参照)
◆ISO 14044:配分の原則をリサイクルにも
ISO 14044は、リユース・リサイクルにも配分の原則と手順を適用します。
複数の製品システムが共有する工程の配分では、可能な場合、物理的な特性(質量など)、経済的な価値、再生材がその後に使われる回数などを配分の基礎として検討するよう示しています。
◆GHGプロトコル製品基準:2つの方法から選ぶ
GHGプロトコルの製品基準では、リサイクルに伴う配分について、「クローズドループ近似法」または「リサイクル含有率法」を用いることを基本としています。
クローズドループ近似法では、バージン材を代替した分を差し引き、その量を使用済み段階とは分けて報告します。
どちらの方法も適切でない場合には、基準の要求を満たしたうえで、別の方法を採用し、その理由などを開示する選択肢も示されています。
なお、GHGプロトコルはISOと共同で、ISO 14067とこの製品基準を統合した新しい製品基準の開発を進めています。
本記事の情報基準日の時点では、新しい基準はまだ公表されていません。
◆PEF:係数Aで「中間」をとる
欧州委員会は、製品環境フットプリント(Product Environmental Footprint、PEF)の手法を、勧告(EU)2021/2279で示しています。
PEFでは、再生材の使用と使用済み段階を、CFF(Circular Footprint Formula、循環フットプリント式)で評価します。
CFFは、「材料+エネルギー+廃棄」の3つの部分からなる式です。
CFFで特に注目したいのが係数Aです。
Aは、リサイクルとバージン材の生産に関わる負荷やクレジットを、再生材を供給する側と使う側のライフサイクルにどう配分するかを調整する係数です。
市場の需給状況などを反映する目的で使われます。
PEFのCFFでは、A=1は「100:0」、つまり再生材を使う側にクレジットが配分される考え方に、A=0は「0:100」、つまり使用済み段階でリサイクルに回す側にクレジットが配分される考え方に相当します。
本記事では、それぞれをカットオフ法、回避負荷法に近い考え方として整理しています。
ただし、Aは任意に決める単純な折衷比率ではありません。
PEFではAを0.2〜0.8の範囲とし、実際の値は市場状況や、適用対象の材料・用途に関するPEFの規定・デフォルト値などに基づいて扱います。

図3 PEFの係数Aと2つの考え方の関係
◆データベース:システムモデルは利用者が選ぶ
LCAデータベースのecoinventは、カットオフ型を含む4つのシステムモデルを用意しています。
そのうち「Allocation, cut-off by classification」は、リサイクル含有率(カットオフ)の考え方に基づくモデルです。
このモデルでは、リサイクル可能な材料は、使用済み製品側からリサイクル工程へ負荷を引き継がずに渡され、再生材を使う側がリサイクル工程の負荷を負います。
ecoinventでは、目的や範囲に合ったシステムモデルを利用者が選択します。
実務では、自社の算定方針と、バックグラウンドデータで採用されているシステムモデルが整合しているかを確認しておくことが重要です。
IDEAなど国内のデータベースを使う場合も、リサイクルの扱いを、使用する版の解説資料で確認しておくと安心です。
5.化学・アパレル・海運では、どこで効いてくるのか?
ここからは、リサイクルの評価が結果を左右する場面を、業界ごとに見ていきます。
◆化学:再生樹脂は「使う側」か「回す側」か
化学メーカーは、再生樹脂を原料として使う側と、自社製品が使用後に回収・再生される側の、両方の立場になりうると私は見ています。
仮に、ある樹脂メーカーが再生樹脂の配合率を高めた新製品を出すとします。
カットオフ法なら、リサイクル工程の負荷がバージン材の製造より小さい限り、配合率を高めた分だけ製品の排出量が小さくなります。
一方、自社製品の回収・再生の仕組みづくりに力を入れている場合は、回避負荷法のほうがその努力を数字に反映できます。
弊社の実務感覚では、どちらの努力を顧客に伝えたいのかを先に決めておくと、方法の選択と説明がぶれにくくなります。
ケミカルリサイクルなどで使われるマスバランス方式の評価は、別の論点が絡むため、今後の記事で取り上げます。
◆アパレル:PETボトル由来の再生ポリエステル
アパレルの例として、使用済みのPETボトルから再生ポリエステル繊維をつくるケースを見てみましょう。
規格の定義に当てはめると、PETボトルという製品から衣料品という別の製品システムに材料が移るので、オープンループのリサイクルにあたります。
GHGプロトコルのクローズドループ近似法は、再生材がバージン材と同じ固有の性質を保ち、代替して使える場合を前提とする考え方です。
ISO 14044の説明も踏まえると、PETボトルから繊維への再生では、材料の性質がどの程度保たれ、何を代替するのかを確認する必要があります。
製品システムが異なるという理由だけで、適用可否を一律に判断することはできません。
GHGプロトコルの製品基準には、使用済みPETボトル由来の再生ポリエステルを50%含み、使用後は埋め立てと想定したTシャツについて、使用後にリサイクルされないことから、Anvil Knitwear社がリサイクル含有率法(カットオフ法)を用いた事例が紹介されています。
◆海運:船の建造から解撤まで
海運では、燃料の燃焼だけでなく、船そのものの建造から解撤(解体)までを評価する場面で、リサイクルの扱いが効いてくると私は見ています。
仮に、解撤後に船体の鋼材が回収され、別の製品の原料になるとします。
回避負荷法なら、回収した鋼材がバージン材と同じ性質を保つと見なせる場合に、バージン材の製造を避けた分をクレジットとして数えられます。
カットオフ法なら、その分は船の数字には反映されません。
船のように使用期間が長い製品では、廃棄・解撤時にどれだけリサイクルされるかを事前に見通しにくいことがあります。
GHGプロトコル製品基準では、使用期間が長い、または不確かな場合を、リサイクル含有率法が向く場面の一つとして挙げています。
6.実務で迷ったら、何を確認すればよいのか?
リサイクルの評価方法を選ぶときに確認しておきたいポイントを、4つにまとめます。
① どの努力を伝えたいか
再生材を使う努力を伝えたいのか、使用後にリサイクルされる設計や仕組みを伝えたいのか。
第2章で見たとおり、2つの方法は評価する努力が正反対です。
まず、評価の目的をはっきりさせることが出発点だと、私は考えています。
② 使い分けの目安に当てはめる
GHGプロトコル製品基準は、2つの方法を選ぶ際の判断材料を示しています。
以下はその目安を整理したもので、すべての製品に一律に適用する絶対的なルールではありません。
実際には製品の特性や算定目的、適用される製品ルールも確認してください。
リサイクル含有率法(カットオフ法)が 向く目安 | クローズドループ近似法(回避負荷法)が向く目安 |
再生材を使うが、使用後にリサイクルされない | 再生材がバージン材と区別できず、含有率がわからない |
再生材の市場が飽和している | 再生材の市場が飽和していない |
再生材の使用量を自社で管理できる | 使用期間が短い、または明確 |
使用期間が長い、または不確か |
|
(回避負荷法は本記事での呼び名。第2章を参照)
どちらの方法が適切か明らかでない場合には、感度分析を行うことも同基準で示されています。
③ 製品ルールやデータベースとそろえる
GHGプロトコルの製品基準は、製品ルールやセクター別のガイダンスで定める項目の一つに、リサイクルの配分方法を挙げています。
まずは、業界の製品ルールなどで方法が指定されていないかを確認しましょう。
使用するデータベースのシステムモデル(第4章)とも、そろっているかを確認しておくと安心です。
④ 方法を明記し、変えるときは再計算する
GHGプロトコル製品基準では、配分方法とその選択理由の開示に加え、クローズドループ近似法を使う場合には、代替した分を別途報告することを求めています。
また、削減目標の進捗を追う場合、算定方法を大きく変更したときには、比較の基準となる基準インベントリを再計算する必要が生じることがあります。
適用する要件を確認したうえで対応しましょう。
弊社の実務感覚では、削減の成果を毎年追いかけるなら、方法はむやみに変えず、変えるときは基準インベントリを再計算し、理由を記録しておくことが大切です。
7.よくある質問
Q1. 再生材を使えば、環境負荷はゼロになるのですか?
ゼロにはなりません。
カットオフ法でも、再生材はリサイクル工程の負荷を負います。
さらに、GHGプロトコルの製品基準は、リサイクル工程のほうがバージン材の取得より排出が多い場合、リサイクル含有率法ではバージン材を使うほうが結果が小さくなることがあると指摘しています。
そのうえで、GHG以外の指標も考慮するよう促しています。
弊社では、再生材を使うかどうかを、CO2だけでなく、資源の消費なども含めて判断することをおすすめしています。
Q2. カットオフ法と回避負荷法の「中間」をとる方法はありますか?
あります。
PEFのCFFでは、係数Aを用いて、再生材を使う側と使用後にリサイクルへ回す側の双方を評価に反映します。
Aは0.2〜0.8の範囲とされていますが、実際の値は市場状況やPEFの適用ルールに基づいて扱います。
Q3. ケミカルリサイクルやマスバランス方式は、どう評価するのですか?
本記事で紹介した2つの方法とは別の論点が絡むため、今後の記事で詳しく解説します。
マスバランス方式の考え方と、LCAやCFP(カーボンフットプリント)での扱いを取り上げる予定です。
8.まとめ
LCAでリサイクルを評価する方法には、再生材を使う側にメリットを反映する「カットオフ法」と、使用後にリサイクルへ回す側にメリットを反映する「回避負荷法」があります(いずれも本記事での呼び名です)。
2つの方法は評価する努力が正反対なので、同じ2つの製品でも、方法によって順位が逆転することがあります(第3章の仮の数値例)。
GHGプロトコル製品基準では、2つの方法を基本として選択・開示し、PEFではCFFの係数Aを用いて負荷やクレジットを配分します。
どの方法を採用したか、その理由とともに明記し、方法を変更する際には必要に応じて基準インベントリの再計算も行いましょう。
本記事と前編の配分の記事を合わせてお読みいただくことで、「1つの工程から複数の製品が生まれるとき」と「1つの材料が複数の製品にまたがるとき」の両方の考え方を、ひと続きで理解していただけます。
📖 前編・関連記事
弊社代表の小野雄也は、LCAの実務に約20年携わり、ウォーターフットプリントデータベースの研究で博士号を取得しています。
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主要出典
ISO 14044:2006 Environmental management — Life cycle assessment — Requirements and guidelines(4.3.4.3)
WRI/WBCSD「GHG Protocol Product Life Cycle Accounting and Reporting Standard」(1.1、表3.1(第9・11・14章欄)、表5.1、第9章 9.2・9.3.6〜9.3.8・図9.5・Box 9.4・注3)
欧州委員会「Commission Recommendation (EU) 2021/2279」附属書I 4.4.8〜4.4.8.2 https://eur-lex.europa.eu/eli/reco/2021/2279/oj/eng
ecoinvent「System Models」 https://support.ecoinvent.org/system-models
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