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はじめてのLCA認証ガイド(1):基礎知識から認証の種類・準備のポイントまでやさしく解説

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    o a.
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

こんにちは。

LCAコンサルタントの小野あかりです。

今日は、企業のPRなどでよく目にする【認証】という言葉について解説をしていきたいと思います。


LCA(ライフサイクルアセスメント)を導入した企業が、外部への発信や競争力向上のために「認証」を取得したりしている訳ですが、


実際に取得しようとした際に、

「認証ってよく聞くけど、何をどうすればいいの?」

「どの制度を選ぶべき?」


と迷うことも多いのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、LCAをベースに製品やサービスの認証取得を目指す方のために、認証の基礎知識から、種類・タイミング・失敗しないための準備ポイントまで、やさしく丁寧に解説します(なお、今回は内容量の関係から前編・後編に分けています)。


ぜひ最後までお付き合いください!



目次



1.認証とは?

「認証」とは、企業が提供する製品やサービスが、特定の環境基準や評価項目を満たしていることを、第三者が客観的に証明する制度のことです。LCA結果をもとに、環境性能の高さを公的に示したいときに活用されます。

単なる「実施しました」の報告ではなく、「この製品は、誰が見ても確かに環境に配慮されていますよ」と太鼓判を押してもらうようなイメージです。

認証を受けることで、企業はその環境への取り組みを「見える化」し、顧客や取引先、社会に対して信頼性のあるメッセージとして発信することができるようになります。



  2.認証が必要になるのはどんなとき?

認証は、主に次のような目的で必要になります:

  • 製品にカーボンフットプリント(CFP)を表示したいとき:CO₂排出量を見える化し、顧客に環境配慮を伝えるため。

  • 海外展開時に信頼できる環境性能を示したいとき:国際的な商談や取引先への証明として活用されます。

  • 環境配慮製品としてブランド価値を高めたいとき:認証ラベルはマーケティングツールとしても有効です。


社内報告というよりも、社外のステークホルダーに対して「信頼されるエビデンス」を示すことが認証の本質です。



  3.認証の種類とレベル感

認証制度にはさまざまな種類がありますが、大きく次の3つに分類できます。それぞれ「どの程度までLCAの数値を見られるか?」も異なります。

認証の種類

数値の確認の有無

特徴・概要

CFP(カーボンフットプリント)認証

✔️ あり

製品のライフサイクルで発生するCO₂排出量(kg-CO₂eなど)を数値で表示。算定根拠まで第三者が確認。

プログラム認証(例:EPD)

✔️ あり

GWP(温暖化係数)などの環境負荷数値を含むLCA結果を、標準フォーマットで公開。ISO14025に準拠。

エコラベル(例:Type I)

❌ なし

「環境にやさしい製品」であることを証明。数値そのものは求められないが、基準を満たす必要あり。


数値が問われる認証は、環境影響の根拠まで開示したい企業に。 ☑ 数値までは問われない認証は、消費者向けにわかりやすく「環境に配慮した製品ですよ」と伝えたい企業に向いています。



  4.目的別にみる、どんなときにどんな認証?

認証の選び方に迷ったら、「目的ベース」で考えるのがポイントです。

目的

推奨される認証タイプ

カーボンフットプリントを表示したい

CFP認証、EPD認証

海外市場へ展開したい

EPD認証、グローバルラベル(Carbon Trustなど)

消費者に環境配慮を伝えたい

Type Iエコラベル、CFPラベル

認証ラベルで商品価値を高めたい

CFP+Type Iの組み合わせも有効



  5.認証取得にはなにが必要?

認証を取得するには、LCA報告書の完成後、各認証機関に申請し、審査を受ける必要があります。

準備物の例:

  • LCA報告書(検証済みが望ましい)

  • 製品仕様書・原材料の情報

  • 算定根拠・追加説明資料


※海外の認証機関から認証を取得する際には「提出書類の英訳」「現地機関との調整」も発生するため、余裕をもってスケジュールを組むことが重要です



  6.よくある失敗例とその対策

ありがちなミス

対策のヒント

自社の目的に合わない認証を選んでしまう

「誰に」「何を伝えたいか」を明確にする。

スケジュールが大幅に遅れる

LCA完成と同時に認証準備も始めておく。

コスト見積が甘く、途中で予算が足りなくなる

翻訳・登録・更新費用も含めた総費用を複数社から見積もる。



  7.認証に向けた5つの準備ステップ

認証を「後回しにせず、前倒しで準備しておく」ことが成功のカギです。


  1. 目的を明確にする:「誰に何を伝えるための認証か?」を整理しましょう。

  2. スキームを選ぶ:用途や市場に合う認証制度(CFP/EPD/エコラベル)を選定。

  3. 資料をそろえる:LCA報告書・根拠データ・製品情報など、認証に必要な情報を整理。

  4. 信頼できるパートナーを見つける:認証機関や支援コンサルの比較検討を行いましょう。

  5. 社内調整と予算確保:稟議や上申も考慮し、早めに合意形成を。



  8.おわりに

本コラムでは、初めて認証に取り組む方向けに、基本的な理解と行動のガイドラインをご紹介しました。

ここまでで、認証の概要・種類・取得のステップまで、LCAに基づく認証取得の全体像を掴んでいただけたら幸いです。


後半では、さらに一歩進んだ内容として、以下のトピックを取り上げていく予定です:

  • 実際の認証取得事例(国内外の企業の対応例)

  • 認証後の効果と活用方法(広報・営業・投資家対応など)

  • 複数製品への展開や社内制度化のヒント

  • 最新の制度動向・国際ルールとの接続(例:EU CSRD、SBTiとの関係など)


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