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【水のインベントリデータベース開発者が語る】原単位データベースに、いま向き合う理由

  • 執筆者の写真: o a.
    o a.
  • 1月19日
  • 読了時間: 9分

新しい年を迎え、皆さまにおかれましては穏やかな日々をお過ごしのことと存じます。

本年も当社は、LCAを「計算」で終わらせず、現実の意思決定につなげることを大切にしながら、取り組みを続けてまいります。


さて、今回の記事は「水」をテーマにしました。

知らない方も多くいらっしゃるかと思いますが、当社代表取締役である小野雄也は、2009年に水の影響を評価するためにインベントリ(原単位)データベースを開発し、これまで水の分野をリードしてきました。

その後、CO₂を中心とした脱炭素の流れが加速する中で、水の評価はしばらく表舞台からは離れていましたが、近年、生物多様性や水リスクといった文脈から、再び注目が集まり始めています。

そうした中で、小野自身も、「このまま過去のデータベースが断片的に使われ続けるのではなく、いまの社会状況や技術水準に合わせて、もう一度きちんと向き合い直すべきタイミングなのではないか」と感じるようになりました。

これまでの経験や、いまの問題意識を踏まえて、小野はあらためて「水」というテーマに本腰を入れて向き合おうとしています。

そんな小野雄也が最近感じている想いをお届けできたらと思います。

ぜひ最後までお付き合いください。


目次



1.最近、急に「水」という言葉を聞くようになったと感じませんか

ここ1〜2年ほどでしょうか。

サステナビリティやLCAの文脈で、「水」「水リスク」「ウォーターフットプリント」といった言葉を、急に目にする機会が増えたと感じている方も多いと思います。


少し前まで、

  • LCAといえば温室効果ガス

  • 環境対応といえばCO₂

  • 水は「重要だと思うけど後回し」

そんな空気が、確かにあったと思います。


そのため、

「なぜ今さら水なのか」

「これまで、そんな話していなかったのでは?」と感じるのは、自然なことだと思います。



  2.水は“いきなり重要になった”のではありません

水は、ずっと重要でした。

ただ、正面から扱われてこなかっただけです。

冒頭でもご紹介したとおり、当社代表取締役である小野雄也は、2009年に水の影響を評価するための原単位データベースを開発し、多くの企業で活用されてきました。独自性や精度の高さから日本のLCAデータベースを開発している産業総合研究所のIDEAにも算定方式が採用されました。


活用して頂く中で、

  • CO₂は目に見えずイメージしにくいが、水は目に見えるのでイメージを伝えやすい

  • 今はCO₂で手一杯、、、

  • これまではCO₂しかやってこなかったが、これからは水にも力を入れていきたい

  • 水自体も重要だが、生物多様性にも繋がることが分かり更に重要性が増した

  • 評価方法を十分に理解できていない

  • 算定した数値が一人歩きする


などといった様々な声を多く聞きます。

私自身としては、まずはやってみることが重要であると考えます。

しかし、ある程度やってみたら自分が使っているものへの理解をする必要が出てきます。

そういった場合に、上記のような悩み・課題が出てくるのだと感じます。

水以外でも言えることですが、作る側の意図や前提が正しく伝わらないと、意思決定が困難になるからです。



  3.最近感じていることについて

ここで、少しだけ率直な想いを共有させてください。

振り返ってみると、当社代表である小野雄也が水のデータベースを本格的に開発していたのは博士号を取得した時期まででした。

ずっと再開発したいという思いがあったものの、水以外のテーマへの対応や、社会ニーズの有無などがあり、十分に開発する時間が取れませんでした。

しかし近年、生物多様性を発端に水の評価への関心が再度高まっています。

小野が開発してきた水の原単位データベースを基軸として更に進化させる取り組みやAIの活用なども出てきました。

未だに小野が過去に開発したデータベースを活用してくれている方も多数おり、大変ありがたく感じております。

これらの動きが広がっていくこと自体は、前向きな流れだと受け止めています。


一方で、過去のデータベースは対象年次が古いという問題など、現在では活用しずらい状況であることは確かです。

また、当時では解決できないと考えられていた課題も現在の技術の進歩や小野自身のレベルアップ、開発コストや周りのサポートが強化されたことにより、数段レベルアップしたものを開発できる自信があります。

(ユーザーへの理解促進という面も現在はオンラインセミナーやYoutubeをはじめとした技術が発達しており、解説動画を挙げることで一人がなんでも説明しなければならないというマンパワー不足を解決することが容易にできます。)


このような活動を進めていけば、社会全体のサステナビリティ(水)の理解が促され水以外の環境問題にも貢献できると考えています。ビジネスチャンスやリスク回避という意味では企業だけでなく自治体等にも関係する話であり、より多くのプレイヤーの参戦が想像されます。


そうなった際に、、、

  • データがどのような考え方に基づいて作られているのか?

  • どこまでを想定して使えるのか、どこから先は慎重さが必要なのか?

  • 得られた結果を、どのように解釈することが望ましいのか?

といった点は、本来十分に抑えておくべき点であり、数値とあわせて伝えられるべきものです。

現在はこういった背景が十分に共有されないまま、「数字」だけが先行し意図しない形で判断に影響を与えてしまうこともあります。


水の原単位データベースは、重要であり有用な情報であることは間違いありませんが、だからこそ、その扱い方によっては、本来とは異なる判断につながってしまうリスクもあると感じています。

小野率いるGreen Guardianは、研究者・専門家あるいは経営者として、この点をしっかり伝え、伴走できるようにしていきます。



  4.だから私たちは、もう一度「作る側」に戻ります

こうした状況を踏まえ、当社では現在、

  • 水の原単位データベースの再設計・更新

  • 最新の知見を反映したデータの精緻化、拡張

  • 評価の前提や限界を含めて理解できる形でのアプリケーション化

を進めています。


そして、 GreenGuardianとして、正式に提供する準備を進めています

これは「後追い」ではありません。私たちはもともと、この分野を作ってきた側です。

水の評価が注目され始めた今だからこそ、「誰が」「どんな考えで」「何のために」作ったデータなのかを、きちんと示す責任があると考えています。



  5.水の数値は、使い方次第で“武器”にもなる

水の原単位や評価結果は、強力です。

だからこそ、慎重さが必要です。

  • 単純に水使用量を減らせば良い、という話ではない

  • 数値が低い=影響が小さい、とは限らない

  • 地域や文脈を無視した比較は、意味を持たない


水をはじめとしたLCAの数値は、意思決定を助けるための材料であって、意思決定そのものではありません。当社が日頃から大事にしている「やって終わりではなく、しっかり活用する。これは投資であり、損をさせない」という想いも含めて、きちんと伝えていきます。



  6.2026年、GreenGuardianが「水」に向き合う理由

今年、当社が「水」をテーマの一つとして掲げているのは、近年、水の評価に関心が集まりつつある状況を受け、改めてこの分野と丁寧に向き合っていきたいと考えているからです。


水の評価が広がっていくこと自体は前向きな動きだと感じていますが、 一方で、少し立ち止まって考える余地があるのではないかと思っています。


私たちは、データを作った立場として、その意味や限界も含めて伝えながら、実務の中で無理なく使っていただける形で届けていく。

その役割を、今年あらためて大切にしていきたいと考えています。




  7.おわりに

水は、いきなり重要になったテーマではありません。

ただ、「いま」改めて、扱い方が問われる段階に来ていると感じています。

2026年、GreenGuardianは水の原単位データベースを「作った側」として、責任をもって、この分野に向き合っていきます。

また、私たちGreenGuardianでは、LCA(ライフサイクルアセスメント)をベースにしたサポートや、現場目線でのコンサルティングを通じて、脱炭素やサステナビリティ対応をお手伝いしています。

「何から手をつけたらいいか分からない」という方も大歓迎です。気軽に話せる【LCAまわりの“コンサル”】として、お困りごとを一緒に整理するところから伴走します。

ご相談はいつでもお気軽にどうぞ!


【メルマガ会員特典】水・GHGなどLCA全般に関する率直な疑問を受け付けます

今年は、メルマガ会員限定で、CO2や水の原単位データベース、LCA全般に関する質問を受け付けます。

  • この数値、どう解釈すればいい?

  • どこまで信じて使っていい?

  • 社内や顧客に、どう説明すればいい?

といった、実務で本当に困っていることをお寄せいただければ、当社代表である小野から回答させていただきます。(会費などは一切発生しませんので、この機会にぜひご登録ください!)


また、文章でのやり取りだけでは整理しきれない内容については、30分の無料相談も受け付けていますのでお気軽にお問い合わせください。

「まだ質問としてまとまっていない」「少し話しながら整理したい」 といった段階でも構いません。

必要に応じて、評価の考え方や進め方を一緒に整理させていただきます。


社員

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